「世尊よ、我れ一心に尽十方無碍光如来に帰命し、安楽国に生ぜんと願ず」
と申されて、自督の信心を表白された。
親鸞聖人は、それをお釈し遊ばされて、
「帰命尽十方無碍光如来」(真実功徳相)は「誓願の尊号なり」
と仰せられた。是れ即ち「南無阿弥陀佛」である。
大無量寿経の第十八願の「成就文」に曰く
「其の名号を聞きて、信心歓喜し、乃至一念せん。・・・即ち往生を得、不退転に住す」
と。
「一心帰命尽十方無碍光如来」は、即ち「聞其名号・信心歓喜」である。
浄土真宗の安心、この外にあることなし。これが真宗の面目である。これを「横超」という。信巻にその旨が懇切に説かれてある。
迷うてはならぬ。惑うてはならぬ。一生涯の努力を、「聞其名号・信心歓喜・乃至一念」の一句に捧げてこれを研究し、よくよく聴聞すべきである。
稲垣瑞劔師『法雷』第15号(1978年3月発行)
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