『教行信証』総序に曰く、
「難思の弘誓は難度海を度する大船、
無碍の光明は無明の闇を破する恵日なり」
と。『教行信証』全体は総序に摂まり、総序はこの二句に摂まる。
と。『教行信証』全体は総序に摂まり、総序はこの二句に摂まる。
親鸞聖人が生死出べき道を見つけられた、その大道はすなわちこの二句である。一切衆生の往生の大道もまたこの二句である。「これより外に佛法なし」と思っていただかぬと勿体ない。信心も確立しない。
瑞劔が桂利剣(かつら りけん)先生の弟子として入門したのは、瑞劔が三十八歳の年、八月二十四日であった。始めに聞いたのは森尾則如(もりお そくにょ)師のことであった。
森尾則如師は、島地大等(しまじ だいとう)師、前田慧雲(まえだ えうん)師と共に、天台学において「三羽烏」と言われるほどの大学者である。
森尾師は真盛派(しんぜいは;滋賀県坂本にある天台宗の一派)の大学の学長であった。その森尾師が桂先生の許に来たり、二ヶ年間、真宗学を習われた。
桂先生は、始めに総序の文を授けられた。森尾師は始めの二句を頂いて感激され、膝を叩いて讃嘆された。
瑞劔入門して翌年、亡父 久太郎が夢に現れ、
「最三(瑞劔)良く聞け、
難思の弘誓は難度海を度する大船、
無碍の光明は無明の闇を破する恵日なり。
ここじゃぞ、これじゃぞ」
と二回繰り返して、スーと消えた。
と二回繰り返して、スーと消えた。
稲垣瑞劔師「法雷」第32号(1979年8月発行)
2 件のコメント:
難思の弘誓は・・・、無碍の光明は・・・、
何度も何度も教えていただくことが、
本当に有り難い事ですね。
ありがたい・・・、ありがたい・・・、
という事ですね。
そうなのですね、佛徳讃嘆のままが報恩感謝になっておられるのですね。
そしてまた、ご自身が慶ばれるままに私たちへもお勧め下さっています。
コメントを投稿