往生のためには、ただ佛様の無量力功徳を念じて、善悪ともに、浮世の一切のものを見ないがよい。善知識のことばのほかは、世間の人の言葉も聞かぬがよい。覚えたことも皆忘れてしまうがよい。忘れられなければ、「誓願不思議」を憶念し、佛語を思い出してよろこべばよい。
信心を邪魔するものは、凡夫の智慧である。知っておること、覚えておること、聞いたこと、読んだこと、頭の中で思いはかろうこと、それらが皆邪魔になる。智者や学者は却って往生しがたく、学問のないおろかものは、却って往生しやすい。それは佛語を素直に聞くからである。素直に聞くところに、真心は徹到する。
稲垣瑞劔師「法雷」第70号(1982年10月発行)
2 件のコメント:
智者や学者は却って往生しがたく、学問のないおろかものは、却って往生しやすい。
とありますが、
世事に忙しくしていると、色んな方に出会いますが、
圧倒的に知者な方が多く、自我に雁字搦めで苦しんでいるばかりです。
別に馬鹿になれという意味ではありませんが、何事も素直に受け取れば
楽に生きられるのにと思うばかりです。
ほんとに、信者さんの力みのない素直な言動に触れると、こちらの身構え、心構えの頑固さがよく見えます。柔軟心とはよく言ったものです。
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