2023年2月20日月曜日

素直になれ

 往生のためには、ただ佛様の無量力功徳を念じて、善悪ともに、浮世の一切のものを見ないがよい。善知識のことばのほかは、世間の人の言葉も聞かぬがよい。覚えたことも皆忘れてしまうがよい。忘れられなければ、「誓願不思議」を憶念し、佛語を思い出してよろこべばよい。
 信心を邪魔するものは、凡夫の智慧である。知っておること、覚えておること、聞いたこと、読んだこと、頭の中で思いはかろうこと、それらが皆邪魔になる。智者や学者は却って往生しがたく、学問のないおろかものは、却って往生しやすい。それは佛語を素直に聞くからである。素直に聞くところに、真心は徹到する。

稲垣瑞劔師「法雷」第70号(1982年10月発行)

2 件のコメント:

土見誠輝 さんのコメント...

智者や学者は却って往生しがたく、学問のないおろかものは、却って往生しやすい。
とありますが、

世事に忙しくしていると、色んな方に出会いますが、
圧倒的に知者な方が多く、自我に雁字搦めで苦しんでいるばかりです。
別に馬鹿になれという意味ではありませんが、何事も素直に受け取れば
楽に生きられるのにと思うばかりです。

光瑞寺 さんのコメント...

ほんとに、信者さんの力みのない素直な言動に触れると、こちらの身構え、心構えの頑固さがよく見えます。柔軟心とはよく言ったものです。

他力には無理がない

 願力成就の報土  人間の一切の生活、一切の思い、一切の行いは、相対の見から来る。相対の見を持った凡夫が、往生の因を自分の胸の内に見出だそうとしても、それは天上の月をつかむようなものである。「願力成就の報土」に往生するには、ただ十八願の「本願力のよびごえ」に引かれて参るよりほかに...