「一切衆生悉有佛性」とは、一切衆生は未来に必ず大信心を得るからである。
如来の正覚は時空を超越して、常に現在の一念である。これを正覚の一念という。
正覚の一念が凡夫の世界に流れて、因果の制約の中に現れると、三世十方の往生がある。
三世の往生は各別であるが、弥陀正覚の一念の外なるものではない。
正覚の一念常住なれば、弥陀の名願力は常住である。本願力にめざめた時を帰命の一念という。
九十三歳 瑞劔
稲垣瑞劔師「法雷」第21号(1978年9月発行)